Ruina 廃都の物語

こんな方におススメ
・丁寧な文章で綴られる物語を楽しみたい
・遺跡に潜ってお宝発掘したり竜と戦ったりってロマンだよね!
・世界観や歴史がしっかり練られている作品に惹かれる

最初はゲームブック方式に戸惑いました。
戦闘で得られる経験値は微々たるもので、探索によって成長していくので、雑魚戦繰り返してレベル上げて突破というやり方はできないようになっています。
状況に応じてどのキャラを仲間にするか、どんな装備で行くか考えねばならず、難しい。
MPがすぐに切れますし、回復する量もたかが知れています。
そんなこんなで苦戦しながらも進んでいけたのは、ストーリーに引き込まれたからです。
幻想的な空気や不気味さを伝えてくる文章で綴られる物語に惹かれ、諦めかけても先に進もうと思えました。
最初は探索継続ボーナスやらチェックポイントやら気にしてましたが、途中からやめました。
時間がかかってもクリアできればいい!

武器防具を一切買わず、作成もせず、拾った物頼りのプレイでも、何とかクリアできました。
クリア時間を見て「嘘だっ!」と叫びたくなりました。
十時間いっていない……!?
あの魔将を殺しきっていないままですし、歴代の面々の大半も放置してのクリアですが、予想より遥かに短かった。
難易度EASYなのをいいことにセーブしまくり、まずいと思ったら即リセットを繰り返したので実際のプレイ時間はもっと長くなりますが、それでも短い。
十数時間はやってると思い込んでいたので、目を疑いました。
物語の密度が濃く、手ごたえたっぷりだったので、長い冒険を終えたかのような感慨に浸っていました。

特に最終決戦での迫力には……参りました。
○○○○に乗り込んでいくだけでも燃えるのに、敵を追い足場を飛び移り、時には激しい戦いを繰り広げるというシチュエーション!
ただでさえ熱いのに、臨場感溢れる描写がいっそう精神を高揚させます。

※以下、ネタバレを含みます。

好きなBGMベストスリーは、1位が魔将戦、2位がアーガデウムで流れる曲で、3位がラスボス戦です。

好きなキャラベストスリーの3位はネル。
料理、調合と序盤から頼りになります。酒場に行ったら、まず彼女に話しかけて回復薬を作ってもらいました。
個性が強烈な仲間達の中で、安心できる存在です。

2位はタイタス一世です。
主人公にことあるごとに「お前の体は私のものだ」としつこく主張する男。
ナレーションで焦りまくるなど、お茶目な一面も。
こんな書き方すると愉快な人みたいですが、カリスマを感じさせる。
偉業も台詞回しもグラフィックも全てカッコいい。
そんな敵だからこそ、挑みがいがあります。
人間の本質は闘争。
主人公達が勝っても人々の心についた火は消えず、守ろうとしたものは消える。
そう語った彼ですが、主人公達が成し遂げたことは無駄ではなかったと、トゥルーエンドでわかります。
最も好きなのが以下の台詞です。
「失われる今、はじめて知った。さらばだ、世界よ。私はお前を愛していた!」
ノクターンのカオスとか、こういう世界を愛している系ラスボスに弱い。
盛大にやらかしているのに……夜な夜な主人公の枕元にやってきて囁きかけたり他の種族の王を苦しめたりしたのに、憎みきれない。
彼は偉大な王だった。

1位は……メロダークです。
彼への印象はどんどん変わっていきました。
・傭兵か、強そう
第一印象は「頼もしいな、かっこよさそう」でした。
・趣味は料理か
意外ですが、好感が持てました。
・お、料理を振る舞おうと言い出した……食中毒? 五人倒した?
この時点で嫌な予感が。
・サラッと脱いだ!?
上半身裸のグラが用意されているとは思わなかった。
表情も微妙にクワッとなっています。
トップクラスの真面目キャラに見えたのに、非常識な人だった。
しかもパーティーにラバンがいると、ラバンはいい筋肉していると褒め、メロダークもそちらこそと答え、お互いの体を褒め合います。
何やってんだおっさんども。

改めてメロダークについて考えると、色々とツッコミどころが多い。
キレハに叱られた時とか。
黒い外套を身に纏った大男がしょんぼりするなよ……。
雪山で遭難しかけた時に、戦えなくなったら料理人になりたい的な発言をかましたり。
やめてください、死人が出るかもしれません。
本人は真面目なのにネタかと疑いたくなることもしょっちゅうです。
ある時、上の命令に従って主人公を連れ去ろうとしたため、仲間から「言いなりになるだけの犬かよ」的な台詞を投げられます。
その反応が、
「私は犬だ」
あっさり認めすぎだよ!
彼の過去を考えれば、そう答えるのもわかりますが。

ネタなのか真面目なのかわからない振る舞いが多いメロダークには、重い過去がありました。
故郷のためという理由で兵士にされ、逃げ出した先でも神や大義のためという名目で戦い続けることに。
もしかして、料理が壊滅的なのも、少年の頃から戦場に出て色々壊れてしまったからなのでは……。
裸になりたがる理由も、重いものを脱ぎ捨てて忘れたいという願望の表れかもしれません。
固有ダンジョンの全裸の人もそんな感じのことを言ってたし。

彼は、何かのためと言いながら罪を重ねることに疲れてしまった。
剣を振るう理由を探していた彼は、主人公に救われ、ようやく信じられるもののために剣を振るえるようになりました。
「人に言われて○○のために戦うってのをやめるんなら、自分の心のままに戦うんだろうな」と思ったら、衝撃を受けました。
「今後は、お前をこそ信仰し、忠誠を誓おう」
……!?
一瞬、「今度は主人公の犬になるのか?」と思った。
もっと別の方向に行くのだと予想していました。
もっとも、ただ上からの命令で戦うのと、心から信じる相手のために戦うのとは大きく違うでしょうから、いいか。
本人が嬉しそうですから。
友情でも恋愛感情でもない、信仰が芽生えた。

トゥルーエンドで主人公を迎えに来た時の台詞も凄い。
「……私は今まで、自分が何のために生を受けたのか分からずにいたが……こうして、最後までお前を守って共に戦うことが、私に与えられた使命だったのかもしれないな」
……。
じゃあこれからも主人公を守ればいいんじゃないでしょうか。
大きな黒い犬がついてくる気分です。
危うさも感じますが、主人公が導いていけばきっと大丈夫です。
真っ当な方向にカッコよくて好きなタイタス一世をも超えて、色々ツッコミどころの多いメロダークが一番好きになりました。
おぞましいプリンセスとのキス対決に特攻させてごめん。
文句を言わずに引き受けてくれた彼は漢です。
あの忌まわしい姫君を初めて見た時のショックとダメージは、後にダーマディウスのおぞましき鉄串をくらった時と同じくらいでした。
主人公(の唇)を守ってくれてありがとうメロダーク。

シリアスばかりではなく軽いノリも所々に入っていて、楽しめます。

その他へ戻る


トップ アイコン