Happy Life

以前日記で紹介しましたが、面白いので改めて感想を。
『ヒトクイ』の前作ということでつながりがあります。来栖教授とか坂口とか林檎とか。
坂口家のクズっぷりは前作も今作も安定していてブレません。

見所
『ヒトクイ』と同じく、続きが気になりどんどん読み進めてしまいます。
そしていつの間にか世界にどっぷり入り込んでいる。
謎が明かされていく様が圧巻かつ快感です。
表情や感情を表現するのが見事で、「一人ぼっちは嫌だって」など、コマの破壊力があります。

キャラクター
最初は「これは人間なのか? 極端にデフォルメされているのか、ファンタジー世界の住人か?」と戸惑いました。
冒頭の女の子が気になるけれどなかなか登場しないのでやきもきしていたら……。
タケシ:最初は面白い姿だと思ったのに、どんどん格好よく見えてくる。この漫画で一番男前なキャラかもしれない。特に外伝の彼は切なかった。
ケイコ:のほほんとしているキャラかと思いきや、色々と重い。彼女はこれから幸せに暮らすはず。
ミミ:可愛くて和んでいたら……。
林檎売りのおばさん:「はい、どうぞ」が怖かった。普段がほのぼのしている絵柄だけに、豹変が強烈にキます。変身後の方が怖くない。
ちょうちょ:シンプルで可愛いと思っていたら○○でした。
藤崎:やらかした時にちょっと待てと思ったものの、弱さや狂気も含めて好きです。
自分の研究とそれへの執着プライド自信エトセトラと娘との狭間で揺れる。
失う寸前に研究の出発点を思い出したのが哀しい。今度は彼なりの幸せを手放してほしくないものです。
恵子:藤崎とケイコにとっては幸せかもしれませんが、恵子は……。
坂口:見損なったよ! 猫耳姿で語尾に「ニャ」をつけた彼を少し可愛いと思ってしまいましたが。

ストーリー・結末
序盤は不思議なキャラクターが不思議空間で遊びを繰り広げるだけかと思ったのですが、だんだん不穏な影が……。
のんびりしている空気だからこそ不吉な予感がいっそう強く出てくる気がします。
過去編が出てきたら後は急転直下。
序盤の、雰囲気が少しずつ変わっていく様子と終盤の勢いがいいギャップになっています。
最初読み終えた時の感想「ふう、暗い展開もあったけれど後味いいな」
最終話を読みなおして「ん、これは?」
ページに飛んで「マジで……!? 父やケイコは幸せになったかもしれないけど恵子は(ry」
と、一つで何度も味わえました。
「辛い展開もあったけれどスッキリしているハッピーエンド」かと思いきやどこかいびつで、完全なハッピーエンドかというと……。
綺麗に見えるが怖い。
特に藤崎は、家族を思う気持ちと危うさ、黒さが同居しています。

外伝では中村議員や来栖教授など、『ヒトクイ』でも重要な要素が出てきます。
爺さんvs坂口のクズ対決ににやにやが止まりませんでした。
そしてタケシが発案者だったことに驚きました。
藤崎から生まれたからこそ、思いついたのかもしれません。
誰にでもあるような、「一人は嫌だ」という気持ちから全ては始まり、「幸せになりたい」という気持ちで進んでいった。
生み出された意味がわからなかったタケシも、最後に見つけることができて満足そうにしていた。
外伝を読んでからタケシの言動を振り返るといっそう響きます。

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