CLAYMORE(クレイモア)について
著者:八木教広
あらすじ:古より人が妖魔に喰われる存在であった世界。人は半人半妖の女戦士を生み出し、妖魔に対抗する。女戦士たちは妖魔を見極める眼を持ち、背負った大剣で戦う。彼女らは大剣を背負う姿からクレイモアと呼ばれた。

こんな人にオススメ
・大剣を振り回す主人公が好きだ
・熱く容赦ない戦いが見たい
・女性の比率高め希望

冷血に見える主人公、クレアだが意外と感情の起伏が激しく、優しい一面も見せる。
生き延びるため、大切な存在(テレサ)を奪った相手に復讐するために力を求める姿は雄々しい。
女戦士たちはみな凛々しい。
戦士の中でも最強と呼ばれた者、恩に報いるために命を賭す者、仲間たちのために窮地に飛び込む者……そして強大な敵に命を奪われる者。
女性キャラ(美形)が多いのでキャッキャウフフかと思いきや、シビア。
メインキャラクターがあっさり次々に死んでいくから油断できない。

人と化物の境界について考える場面も多いです。
妖魔の血肉を取り込んだ戦士たちを恐れ疎み、妖魔に家族を奪われた被害者(普通の人間)を追放する人間がいる一方で、クレアたちを受け入れる人間もいる。
どのような結末を迎えるのか気になります。

※ここからはネタバレを含みます。
印象に残った台詞・場面
「妖魔と半人半妖が勝手に殺し合っただけだ。元々俺らが騒ぐことじゃねーんだよ」
助けられたのにこの言い草。褒められるためにやったことではないとはいえ……。

テレサ語録
「豪華な食事も柔らかな寝床も必要ない。つまんない生き物だよ」
なぜか某魔影参謀を連想しました。
「私の言葉は信じろ」
後でクレアもこの台詞を言うことに。
(掟で人間は殺せないテレサ。玩具にしようとする盗賊に対して)
「これだから人間は……。こんな者たちのために私たちは闘っているというのか……」
見下げ果てた表情。
「起きたか、クレア」
クレアの微笑と周囲に転がる人間の屍との対比が凄まじい。
「結構いいもんだと思ったよ。こうして報酬には関係なく妖魔から人々を救うというのもな」
不吉な予感がひしひしと。
(左腕をちぎられ呆然としている敵へ)
「別に難しいことはしてないよ。左手でこうやってねじきっただけだ」
手を「くいっ」としてみせる余裕あり。
(「化物……め」と言われ)
「化物はお互い様だ」
これほど強かった彼女が、なぜあんな最期を。
クレアと出会って甘くなってしまったためか。

覚醒の一連のシーン
『それは――激しい苦痛と強烈な快楽の中……体中の全ての孔穴からあらゆる体液を垂れ流しながら、静かに…そして激しく…覚醒した――』
まさに“絶望”という言葉がふさわしい。
「あぁ、内臓食べたい」
「生きたまま腹を裂いて……血に浸る腸に顔を埋めたまま、思う存分食べつくしたい」
「血の一滴残らず、肉の一片残らず、全ての臓物を味わいつくしたい」
恐ろしいけどどこかシュール。

「絶望……? この程度の状況でか。私はもっと強大な相手と、本物の絶望を知っている……」
主人公らしい台詞。

オフィーリア語録
「あ、そうだ。ゲームをしましょう」
「あはははは、面白いわ面白いわこの子」
「どっちを殺してどっちの泣き喚く姿を見るのが楽しいのかしら」
一応仲間のはずなのに殺す気満々。
「まったく救えねーバカだぜ、あはははは」
普段は猫かぶり。
「あんま喋んな。口がくせー」
敵に捕えられた状況でそんなこと言うのか。
「大馬鹿野郎だな……。たかが首を折っただけで、とどめを刺したと思いこんでるなんてよ」
折れた状態のまま敵の首を切り飛ばして嘲笑。文字通り狂戦士。敵は「化物はあなたの方じゃない」と呟いて刻まれます。
「一生懸命必殺技作って名前つけたの」
可愛いと思わなくもない。
「みっともられなくて見てられないわね……とか思わせといて、こういう算段してるのってすごい好き、あたし」
「でもってその全てが徒労に終わるであろうことを、うすうす感じてるあなたはもっと好き」
相手の絶望を心から愉しんでいます。
「守るべきものがあるから……死ねない理由があるから生き延びられるなんてのは……弱者の愚かな幻想なのよ」
否定できない部分も。
「はい、これでもう剣も握れないわね。今日一日で四肢全部いっちゃったわね」
このドS。
「なによこれ、なによこれ、なによこれ、なによこれ、なによこれ、誰よこいつ」
狂乱。
「さぁゲームをしましょう」
彼女は最期まで彼女らしく、散り際も美しかった。

・元戦士だった敵が戦士を仲間に誘う時の言葉
「あなたも普通の人から見れば化物みたいなもんじゃない」
「馬鹿みたいだと思わない? 人に捨てられ人じゃなくなったのに人のためにつくして、それで用済みになれば自ら命を絶つ……」
「それで人に感謝すらされない。むしろ生きている間は嫌われてさえいるのよ。馬鹿馬鹿しいったらない」
「しょせん私たちと人間は違う種族……そう考えればすべて簡単に納得できるわよ」
「人が食糧となる牛や馬、羊や鳥のために涙を流す? 流さないでしょ。当然なのよ、種族が違うんだから」
よく見られる問いですが、反論は難しい。
・それに対する答え
「私は人として生まれた以上、人のために生きたい。それだけが私の中にある真実だ」
シンプルです。
・各隊の隊長が強敵に倒されるシーン
フローラの死に様があまりにも……!
・異形に変貌しながら叫びを上げる主人公
「モットダ……モットチカラヲ……!」

皮膚が剥がれ、牙が生え、顔の輪郭も変わり、まるで化物のように。
・彼女の力と執念を認めた敵が、死を目前に一言
「見事だ」

こういう敵が大好きだ。
・化物になりかけている主人公への言葉
「戻れ。お前ならやれる、戻れ……」
「あの時の言葉と恩……そのまま返しにきた」
ジーンの男気炸裂。
日頃冷静なクレアが泣きながら幾度も名を叫びます。
・ラスボス級の敵同士の戦い
「小細工はなしだ。正面から貫く」
「いいわね、肉弾戦……。最後の一片まであなたを食らいつくしてあげる」
直後、激突。
大地が震え空気が唸ります。
燃えずにいられない。
・化物になった姉を殺す妹
「愛してるよ、ルシエラ姉さん……」
自分の言葉が届かなくなっていることをどう思ったのか、表情が見えない分いっそう辛い。
斬り殺すのではなく、抱きしめ、背骨を折って殺したのも姉だからでしょう。

好きな登場人物はまず微笑のテレサ。
「最強」を背負う存在。刮目せよッ!
続いてジーン。漢女(おとめ)っぷりが最高。
イレーネやガラテアもいい。
個人的には、華奢な戦士ばかりでなく、レイチェルやウンディーネのような筋骨隆々のたくましい女性たちもいるのが好印象。
大剣を片手で振り回すわけですから。
テレサ編から本格的にハマりました。
「テレサ最強! 格好いい! 無敵!!」とわくわくしながら読みすすめ、ラストで「え?」となりました。目玉が落ちそうに。
オフィーリア編ではあまりの外道っぷりがかえって清々しかった。
想いや信念を踏みにじり嘲笑う……一応仲間のはずなのに立派な悪役です。
北の戦乱編ではクライマックスの11巻が熱すぎる。
危険だと知りながらも強さを求めて力を解放する主人公。
自分を倒すためだけに力を解き放った主人公を認め、ただ一言称賛して散っていった敵。
化物になりかけている主人公を戻すため命をかける仲間。
強敵同士の、勝敗の読めない対決。
燃え尽きるかと思いました。

現在は組織の秘密が明かされ、人物たちも揃い、終わりへと動き出しています。
続きが気になるあまり覚醒しそうです。
あぁ、焼肉食べたい。

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