エンジェル伝説について
著者:八木教広
巻:全十五巻、完結
あらすじ:主人公、北野誠一郎は真面目で成績優秀、天使のように純朴で優しい性格の優等生。
だが、悪魔の顔を持つため周囲の誤解を受けつつ学校生活を送る。

こんな漫画です
・「美形で腹黒」キャラに飽きた人向け
・番長、タイマンなどといった単語が登場
・人間は顔じゃない
・人間の顔じゃない

人を外見で判断してはいけないという言葉を改めて実感する漫画。
ファンタジー漫画『CLAYMORE』と同じ作者ですが、正反対の作風。笑えるだけでなく心が穏やかになれます。
最初は主人公の顔が不気味に思えますが、慣れてくるとカッコいい、可愛いに変化。
巻を重ねるごとに絵が美しくなっていきます。

印象的な場面や台詞は多々ありますが、一つだけ挙げるならば北野君の父、龍一郎の過去編から。
容貌ゆえに不良から殴られたり蹴られたりすることが多い龍一郎は反撃しようとはしない。
暴力を振るわれれば痛いのを知っている。だから、同じことを他人にすることはできない。
ある時、自分を殴り、ナイフで傷つけようとし、好きな相手のことまでひどい言葉で侮辱した男を平手打ち一発で気絶させた龍一郎は無言で手を見つめていた。
手が痛むかのように。
恵まれた体躯の持ち主であるがゆえの不幸かもしれません。
力を求め戦いを好む性格ならばもっと楽に生きられたでしょうが、争い事を好まない性格の彼にとっては……。

シリアスな話かと思われるかもしれませんが、基本はギャグです。
碧空町で起こる出来事をそっとのぞいてみるような感覚で、漫画自体は終わっても彼らの誤解と笑顔に満ちた学校生活はまだまだ続くのだと感じます。
修学旅行とか、銀行強盗に遭遇とか、見てみたいシチュエーションがたくさん。

北野君は自分のことをごく普通の高校生だと思っていますが、とんでもない。
身体能力や反射神経が尋常ではありません。
・打撃を食らったときに無意識のうちに動いて衝撃を殺す(手応えや音はあるため「一方的に攻撃しているのに倒せない」と相手が勘違い)
・レベルアップしてからは古武術の達人が本気で攻撃しているのにことごとくかわしたり防いだり受け流したり
・工事現場の深い穴に落ちたときに岩壁を足場に続けざまに跳躍、脱出も可能
・トラックにはねられそうになった相手を助けるため、一足飛びで横断歩道の反対側へ
・双掌打(力をこめてつきとばすだけ)で人間が宙を舞い、喧嘩慣れしている男たちが一発で気絶
挙句の果てには回避のさいに残像らしきものまで出しています。
瞬間移動のように視界から消え、瞬時に背後に回り込む……。
どこの陸戦騎だ。
お前はクレイモアか。
こんな普通の高校生がいてたまるかっ!
一般人の動体視力と歴戦の猛者の動体視力は別としても、それを差し引いても速い。
容貌のせいで喧嘩を売られることが多かったため身についた能力、恐るべし。
北野くんは相手を倒そうという闘志が極めて薄く、殴ったり蹴ったりはしないのですが、もし彼が武術を志していたらどうなっていたか。

特に好きな登場人物は北野くん、北野父(龍一郎)、竹久です。
北野くんを番長の中の番長だと勘違いし、尊敬し、忠誠を誓っていた竹久が誤解に気づく話も好きです。

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